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2008/10/12 (Sun)
今度は堂上視線です。(いま、うっかり同情視線と打ってしまいましたが…あながち間違いじゃないって思ったりして…)
まだ終わらない…。
えっと………。
ショートってどうやって書くの!?(涙)
次で簡潔!…ちがう、完結です!(起きたばかりでまだ頭が…)
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*トワイライト 2*
ふと空を見上げると、美しいまでの夕焼けが目に入った。
ふと空を見上げると、美しいまでの夕焼けが目に入った。
見事なまでのグラデーション。
いつもなら、ただ綺麗だと感じるだけで気にも止めないだろうが、ふっと頭を過ぎった顔のせいで、足が止まった。
あいつなら、無邪気にすごいと喜びそうだな。
可愛い部下であり、最近は少しだけ距離の縮まった笠原郁を想い浮かべ、ふっと笑みがこぼれた。
普段は無神経なほどに気が利かない奴だが、その内面はとても繊細なことを知っている。
感情豊かで、誰彼構わずに気持ちを共感させてしまい、いつも泣いてばかりいる。
気が強いはねっかえり娘に泣かれると、堂上はどうしてよいのか分からなくなってしまう。
おもわず抱きしめてしまいそうになる…しかし、まだそれが通常で許される間柄ではない。
彼女が憧れの王子様を卒業するまでは、堂上からは手が出せない。
昔の自分がライバルなんて、笑うどころか涙が出るな。
そんな事を思っていると、背後から名前を呼ばれた気がした。
今、堂上を教官と呼ぶのは二人しかおらず、そのどちらかなど振り向かなくても声の主は分かった。今まで脳内で思い浮かべていたのだから。
視線を向けると、それは今まで想い描いていた彼女の姿で。
しかし、その視線は自分を通り越して夕焼けに向けられていた。
驚いたように目を丸くして、嬉しそうな表情で。
なんだよ、そんな顔も出来るんじゃないか。
堂上に向けられるのは反抗した表情が多いので、なんだか釈然としない。
たまには俺にだって、そんな笑顔を向けてみろよ。
先程までは、王子様を卒業するまで待つと言っていたばかりなのに、本当にこの気持ちは勝手だと思う。
郁に出会ってから、持て余してばかりだ。
暫く横目で様子を見守っていると、突然頭をぶんぶんと振り始めた。そんな郁に呆れながら、突拍子もないやつだと苦笑する。
「そんな所で、何をしているんだ」
「き、教官!」
窓から身を乗り出す様な格好でぴたりと動きを止めた郁は、恐る恐る顔を上げた。
バツの悪そうな表情に少し残念に思いながらも、顔には出さない様に気を張った。
こんな時くらい、年上の威厳を振りかざしても許されるだろう。
「えっと…」
よほど慌てているのか、言葉を探して目があちこちにぐるぐるとさ迷っている。
しかしその態度に、胸の奥がチリッと焼けた。
今、目の前にいるのは俺だ。
自分に向けられない視線に、訳の分からぬ衝動が堂上の理性を上回った。
「きゃあっ!」
気がつけば、堂上の手は郁のウエストに掛かり、郁の身体を窓の向こうから持ち上げて引き寄せていた。
「な、なっ!」
前触れもない行動に、郁は振り落とされない様にぎゅっと堂上にしがみついていた。
ふんわりと漂うシャンプーの残り香と、触れた箇所から伝わる体温と。
その全てが愛おしいと、堂上は認めざるを得なかった。
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