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2008/10/07 (Tue)
たまには日記以外の更新など…。
携帯でちょこっと打ったものをそのままアップしただけの、味気ないものでごめんなさい…汗。
いつもと違って、今回は小牧視点です。
ああ、やっはり話を短くまとめるのは難しいなっ。
携帯でちょこっと打ったものをそのままアップしただけの、味気ないものでごめんなさい…汗。
いつもと違って、今回は小牧視点です。
ああ、やっはり話を短くまとめるのは難しいなっ。
*伝えたいキモチ*
「おっと」
「…ごめんなさいっ」
事務所に入ろうとした小牧は、同じタイミングで事務所を飛び出そうとした郁と軽くぶつかった。
いつもなら、慌てて大袈裟なくらいに謝ってくる彼女が、今日は俯きがちに視線を逸らしたまま、もう一度頭を下げて走り去っていく姿を見送った。
「珍しいなぁ」
郁が慌て者なのは今に始まった事ではないが、礼儀知らずではない。今の郁は、小牧のよく知る彼女のものではなかった。
…それに、あの声。
彼女をあんな状態に出来る人物など、思い当たる原因は一カ所しかない。
ちらりとそちらに視線を向ければ。
おやおや。
想像通りの表情に小牧は苦笑してしまった。
視線の先には走り去った彼女とは対照的に仏頂面をした男がひとり。
「堂上? 一体どうしたの」
「そんなの、俺が知りたいわっ」
苛立ちを隠す様子もなく、堂上が拳を机にたたきつけた。
「…でも。その様子じゃ、心当りはあるんじゃないの?」
ぴくりと堂上の肩が揺れる。
小牧はそれに気がつかなかった振りをして自分の席に着いた。せめてもの情けだ。
「言葉にしなくても伝わるなんて、話の中だけだよ」
独り言を呟くように口にすると、背後から大きなため息が聞こえてくる。
まったく、仕方ないな。
彼等は、傍目から見たらどんなにお互いを思いやっているのかが丸分かりなのに、肝心の相手には伝わらないのだ。
他人にあまり興味のない小牧でさえ、焦れったさに、ついつい口を出してしまう。
あと一押し、かな。
きっと彼はくだらない意地で悩んでいるだけで、ちゃんと自分の取るべき行動はわかっているはずだ。
だから少しだけ。
「笠原さん、泣いていたみたいだけど?」
正確には泣いているよう見えた、なのだが。
がたんと椅子がひっくり返る音がするが、小牧は振り向かなかった。
「すまん、小牧」
「謝る相手を間違ってない?」
ひらひらと腕を振ってみせると、頭を小突かれた。
「痛いなあ」
「バカ。謝ったんじゃない、これは礼だ」
ぷいと横を向いた表情がふて腐れ、昔に戻ったような気がした。
「後を頼む」
「はいはい。その代わり、ちゃんと仲直りしておいよ」
「当たり前だっ」
声が遠く聞こえて小牧が振り返ると、そこには既に堂上の姿はなかった。
「まったく…。世話の焼ける」
その割に、自分の顔が微笑んでいるのが分かって、更に笑みが深くなる。
「やだねぇ。いつからこんなに甘くなったんだか」
きっと鬼教官の影響だな。
立ち上がって窓の外を見れば、慌てて事務所を飛び出した堂上が郁を捕まえていた。
「頑張れ、親友」
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